上級選択「フォトエッセイ」 2012年冬学期 | CLUB KAI | カイ日本語スクール

上級選択「フォトエッセイ」 2012年冬学期

毎回、その回のテーマに沿った写真を3枚ほど見て、説明的な語彙を覚えたあと、学生は写真から得たインスピレーションに基づき、自由に作文します。それらを通じて、自分の思いを表現する技術を身につけるとともに、書く楽しさを感じてもらおうという授業です。

『不思議な中村さん』

7M アンドリュー

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確かに、私の隣の中村さんは不思議な人だ。もう2年間同じ9階に住んでいるにもかかわらず、花火祭りで一時間しゃべった以外、エレベーターで会っても、一言も話さない。花火祭りの時、中村さんは仙台に住んでいる奥さんがいると言った。
今日の早朝、特に空いている新宿駅の中央線のホームで、中村さんが女性と一緒にいるのを見かけた。その浴衣を着ている女性は中村さんの本当の奥さんだろうかと思った。彼女は想像したより若そうだ。時々、ホームの真ん中で寝ている中村さんを叱っていた。叱っているので親しい関係にあるはずだと考えたり、親しい関係なのに、アパートのドアアイから見たことないなぁ。。。
2年間、毎朝ほぼ、新しい女性が中村さんのアパートから出て行った。たまに、私はエレベーターでその女性たちと会った。普段は隣のドアが開くと、私はドアアイに走った。なぜ地味でぽっちゃりした中村さんは、そんなにモテる人なのかわからない。最初は、風俗かなと思ったが。。。でも、マンションは安いし、近所はあまり高級ではないし、中村さんは私と同じ貧乏なやつだろう。。。
一年間ほぼ毎朝そのドアアイを通して見ていた私は、結局、偶然に中村さんの友達と知り合った。「ものすごく魅力なやつだ。皆は中村さんの魅力に引きつけられるっていうものだよ」だそうだ。
なるほど。でも、今朝ホームの真ん中に寝ている人は本当にそんなに魅力的な人か?

『小さな天使』

6M クリストファー

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ここに引っ越しさせられたばかりの時、ジロウくんはずっと浮かない顔をしていた。僕とカズオくん、ヒデキくんがいくら励ましてみても、なかなか元気を出してくれない。
しかし、昨日かわいくてぽちゃぽちゃしている女の子が僕たちの家に遊びに来てくれた。彼女はあまり話していなかったが、一緒にいたもっと大きなおじさんが両腕で彼女を抱え上げて、二人ともジロウくんを見つめた。その時、太陽が眩しくて、おじさんの姿が見えなかったので、まるで彼女は自分の力で飛んでいるみたいだった。天使のようだと言っても過言ではない。
一瞬の後、ジロウくんは恋に落ちた。彼にとって、これは一目惚れだ。天使が「バブ~」と言うと、彼も「バッブー」と真似て言った。オウムだからね。二人は5分ぐらい話していたが、女の子たちは急に手をふって、立ち去ってしまった。
今、ジロウくんは悲しがっている、もちろん。でも彼の目をよく見れば、一縷の望みが見える。がんばれ、ジロウくん!

『無題』

6M ダニエル

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昨日の夜、新宿駅にいた。ホームで30歳くらいの男性に会った。
「お前は日本に何をするつもりで来たんだ?」と私に聞いた。
「僕ですか?僕は日本語を勉強しに来たんです。あとはー」
彼が話の途中で割り込んで来た。
「おい、ちょっと待てよ!何で日本で勉強するんだ?自分の国でいいだろ?」
しかし、私は彼が言ったことを全然理解できなかった。
さらに悪いことに電車が到着した時、彼が「一緒に乗ろう。さ、早く乗れ。」と言った。私は怖くてどきどきしながら、彼と一緒に乗った。
怪しいと思った。しかし、電車の中で彼は冷静になり、やがて平静に戻った。そして小さい声でこう言った、
「お前のこと嫌いじゃね。ただ、一つのことが知りたいんだ。」
「僕のことって。何が知りたいんですか?
 何で日本語を勉強するかって、それはもう!ー」
「いゃ、違う。癇癪起こすな!落ち着け。一つ知りたいことはこれだ。お前、夢があるの?」
私はびっくりした。彼はこんなことが知りたいんだ?私はすぐ返事した。
「あ、そうですか。すみません。はい、夢があります。僕の夢は。」
「夢があるかどうかだけ知りたいんだ!自分の夢は誰にも言うもんじゃねえよ!」不思議な人だと思ったが、取りあえず悪いことをされなくてよかったと思った。
彼がまたこう言った、
「結局のところ、人生は夢のようなもんだ。」
そして電車から降りて行った。彼は一体何を伝えたかったか、今でもわからない。

『どうやって知り合ったの?』

6M グスタブ

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初めてあなたに会った時、私は28才だった。その時あなたはかわいかったけど、よく泣いていた。私は若かったから、ちゃんとあなたをなぐさめられなかった。
その時にも私はよく料理を作ってあげたのに、あまり口に合わなかった。あなたは簡単な料理のほうが好きだった。牛乳もよく飲んだ。でも、どんどん私の料理を食べらるようになった。あなたはすごく我がままだった。いつも新しい物が買いたかった。とても大変だった。今でもちょっと我がままな人だけど、その時よりあまり大変じゃない。
その悪い所以外、あなたはいつも自分の得意な所を私に見せたがる。いつも他の困ってる人を手伝いたい。本当にお父さんに似てるよね。いつかいい人になれると思う。しかし、それはまだだよ。
現在を楽しんで下さい。私たちが子どもである時は一回だけだから。
私の娘。

『嵐の前の静けさ』

7M キム

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「早く、早く!」と誰かが外で叫んだ。
今日も、毎日同じように通っているカフェにいる。「カフェノンビリ」。

 「今日も雨だね」と自分で考えた。皆はいつも通り、急いでる。
アッチコッチに走ったり自転車に乗ったりしている。 

「今日も静かだね」誰かの声が聞こえた。毎日向こうに座っているおじさんだった。「ええ・・・静かですね」と私が答えた。 

この店に初めて来てから、もう4ヶ月ぐらい経ったが、今さらになって初めて話しかけられた。それで会話が終わった。

 話しかけられた以外、今日も普通の一日。それでも、私はそれが好き。
 雨の音。自然の音楽。この音が聞こえたらさらにのんびりしやすい。
 夢の世界に完全に入っちゃう。 

今日も、この時間は私にとって非常に大切だ。
 今日の朝も、嵐の前の静けさ。

『片付けなさい!』

6M ルイス

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「片付けなさい」と母にいつも叱れる。いつからそうだったか覚えていない。
実は私は自分の物を片付けるのが苦手だ。たぶん苦手よりむしろ怠け者と言える。しかし私の部屋はめちゃくちゃなのに、どこに何があるか場所をよく知っている。
そんな理由を母に言ったら、怒られるのも無理はないけど、現在、いくら言われても私の行動が変わらないのが分かったので、母は片付けることをあきらめつつある。
今は恋人と暮らしているけど、彼女も怠け者だから住んでいるアパートはいつもめちゃくちゃ。服やら、本やら、いろいろな物が床に置いたままある。
時々、大人らしい意識が頭の中に入って、片付けようと考えてもすぐにあきらめる。どうせ明日は全部乱雑になるに違いないだろう。
私の考えでは、物が自分の意志を持っているので、どこかに置いても好きな場所に行ってしまうのだ。

『それに対して』

6M マリアナ

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スペイン、2007年6月、35°Cだ.空でかもめたちは大きな鳴き声でどぎっく食べ物を奪い合っている。海水の香りと焼き魚のにおいは一緒に夏の感じを高めていた。 

私は砂浜に寝そべって、「3ヶ月かかったけど、まだスペイン語が話せなくて...ここに引っ越したのは失敗だったのだろうか」と考えながら、汗のしずくを流している.塩水の味だ。 

遊んでいる子供たちを目でおって、飲み物を売っているの声を聞いて...時々、海にいても、心は迷いでいっぱいだ。

 おばちゃんを見て/笑顔で海へ入っている/おばちゃんを見て/笑顔で海へ入って/トップレスのおばちゃんを見ている。

 彼女の垂れ下がった乳房は自由の具体的な結晶だ。

 私も自由になりたい。 

日本、2012年1月、3°Cだ。「1年4ヶ月間かかったけど、まだ日本語が話せなくて...」

『集団生息』

7M 朴ジュン

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ふらふら歩いている歌舞伎町の町は、今にも消えそうな不安感に襲われた。
僕の前を歩いてくる人は、ろうそくの炎のように揺れて近づいて幽霊のように消えていく。

誰かに傷を負わされて誰かに傷つける。
こんな人生がいつまで続くのか、もう、うんざりだった。

ふらふら歩いている僕と友達は、実はいらいらしているのだ。
僕たちはどこに行くのか? 

人々は僕たちを避けたが、最も恐ろしいものはむしろ僕たちである。

記憶がはっきりしないまま、6畳に11名が集団生息している 僕たちの部屋に戻った。
玄関にはスニーカが無雑作に散らかっている。
今日も布団に頭を埋めて寝ようと必死に努力している。
明日どこで何をやろうか? 

玄関に置いてあるスーツケースを持って、どこかふらりと旅に出たい。 行ったらけっして戻ってくるまい。

『オクセンマン』

6M サム

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人生は一つの大きな部屋だ。何かあったらその部屋に一つの断片が入る。記憶の部屋。皆の部屋は多分私と比べたら綺麗だと思う。何故かと言うと、私の子供の頃は辛かったから。それでも、私のだらしない部屋に少しずつ記憶が残っている。一番綺麗で清い記憶はロックマンだ。彼は私の子供特代の偉人だ。どんな時でも、どこでも、彼は私の手を使って、強くなった。「他の人に同じように手伝うことが出来れば良かった」と思っていた。今でも、そうだ思う。
彼も私と一緒に無敵だった。私が手伝えば手伝うほど彼が強くなったが、私は進化出来なかった。私はその時、誰か私に手を伸ばして欲しかった。でも、私はその辛い生活の中で他の人を手伝ってあげる事が出来た。それで、なんとなく「このままでもいいや、充分だな」と思っていた。その感じは今もある。

『無題』

8M セバスチャン

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母から離れてもう何年になるだろう。年をとると母の顔を思い出すのがだんだん難しくなる。
母から離れてからいつも色々な場所に連れて行かれる。海、知らない家、町とか。
でも一番嫌いなのはその間にある、駅のことだ。
今日もそうだ。うるさい駅。汚い駅。人が多い駅。人が俺をじっと見ている駅。俺が違うから。
ホームには人が少ないけど、それがもうすぐ変わる。しかし、今も人々がちらっと見ている。いやだな、でも最低なことはこれからだ。
電車が来た。乗せられた人の数が増えた。俺が乗ったらみんなが見る。色々な反応も出てくる。
「あっ、かわいい」女性の人々が言っている。中年男性が新聞を下ろして「ああいうモノがいるな...」みたいな態度で確認している。子供が一歩ずつ近づいて来る。驚いた顔でそろっと来る。
かごから見える世界はいつもそうだ。しかしかごがあるから安全だ。文句を言っても人々は俺の話を理解出来ない。俺は動物だから、寝るしかない。

『植物園の一日』

6M シルビア・シュルツ

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きれいで暇な日曜日だから、両親とお祖父さんと一緒に植物園に行くことにした。
私たちはアイスクリームを舐めながら温室でゆっくりぶらぶらしている。私は急に「すごい。見て、見て!」と言った。高いヤシの木の間にとてもすばらしいトロピカルの木を見つけた。その木はたくさん小さいオレンジの花があふれて、とてもいい香りが出ている。私たちはその木のすぐそばに寄って、いい香りを深く吸い込んだ。一斉に「ああ、いいね。」幸せで満足になった。
週末だから、たくさん家族が植物園で遊んでいる。私たちがそのすばらしい木をほめていると、三人の家族が近くに来た。母さんがいなくて、父さんと7歳くらいお兄さんと1歳くらいの妹だ。どうして母さんがいないか分からない。みんなはその木に興味があるから、もちろんぽちゃぽちゃの赤ちゃんも見たがっている。まだ話せないから、ちょっと緊張した。だから、父さんは逞しい腕で赤ちゃんを高く持ち上げている。お兄さんは妹の足を持って手伝ってあげている。すると、赤ちゃんの顔は木の葉っぱと花にとても近づいた。小さい鼻は花に触れんばかりだ。赤ちゃんは葉っぱをまじめに集中して見ている。それはとてもいい雰囲気だから、みんなは笑っている。
日の入りになった時、私たちは幸せな気持ちで帰った。

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